成人の方の矯正では、表側あるいは見えない裏側(舌側)にブラケットを着けワイヤーで動かす治療(マルチブラケット装置)とマウスピース(アライナー)の治療があります。

どちらの方法も、基本的には全部の歯を動かす(全顎的な)治療になり、「本格的矯正治療」とも言います。

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一昔前、「芸能人は歯が命」と言うCMが流行りました。今や、テレビで活躍する芸能人の方は、目が行くポイントの一つである「歯ならび」をキチンと治されている方がほとんどですね。

人と人が話をする場合、どうしても目が行ってしまう部分に「歯ならび」があります。

日本人の感覚だと、「八重歯がかわいい」とか「男は歯ならびなんて気にしなくていい」などの文化がまだ根付いているようですが、個人的には決してそんなことはない気がします。

 

歯ならびが悪いと何が良くないの?

大別すると「歯ならびに関する見た目の問題」と「咀嚼や清掃性など機能の問題」です。

いずれの場合もご本人が気にしていないのであれば直ちに大きな問題とはなりませんが、長期的に考えてみた場合、これらを放置することに何一つメリットはありません。

 

「歯ならびの異常は第一印象の良し悪しに影響している」

「上の前歯が出ている(上顎前突)」、「前歯の咬み合わせが反対(反対咬合)」、「デコボコ(叢生)」など見た目に分かりやすい歯並びの異常は、審美性の観点から良い印象を損なっている可能性があります。きれいで良い歯ならびは、仕事、学業そしてプライベート全ての場において、「健康的」、「清潔」、「知的」、「安心できる」などさまざまな好印象を与えることが期待できます。

 

「歯ならび・咬み合わせの異常は、歯の健康を損なう」

通常、永久歯は28本(親知らずを除く)あり、それぞれ役割があります。

簡単にまとめると、前歯は横方向の力に強く物を切断する役割があり、奥歯(臼歯)は縦方向の力に強く物を磨り潰す役割があります。

 

皆様の歯は綺麗に並び正しく機能していますでしょうか?

 

八重歯など歯列(アーチ)から逸脱している歯や、前突している前歯などは、「磨きにくい」、「見た目がよくない」というだけでなく、歯とし機能していない状態です。

矯正では、それぞれの歯の役割を活かして相互保護咬合(ミューチュアリープロテクテッドオクルージョン≒犬歯誘導咬合)の獲得を目指します。

この場合、特に犬歯の咬み合わせが重要になります。

この場合で言う相互保護とは犬歯を含めた前歯の正しい咬み合わせが奥歯を守り、奥歯の正しい咬み合わせが前歯を守るという意味になります。

逆を言うと、前歯は縦方向の力に弱く、臼歯は横方向の力に弱いので、相互保護が成り立っていない場合、本来の役割とは違う力が加わるとともに早期接触や咬頭干渉(局所の歯に負担が集中している状態)により長期的にはそれらの歯や顎関節などに様々な問題が生じると考えます。

 

矯正はお口の健康を守り、ご自身の歯を活かして歯ならびと口もとの審美性を向上させる予防的な歯科治療です。

歯ならび・咬み合わせでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください!